産学官建設技術交流会とは

産学官建設技術交流会は、九州における産業界、大学等、及び行政の関係者がオープンな形で集い、情報交換、意見交換等の活動を通じ、建設分野における新技術の開発、活用、普及の推進並びに産学官で共有する技術課題の克服等に寄与することを目的として設立された組織です。
産学官で協働の事務局を構成し、各機関等からの研究発表や共有する技術課題の意見交換等を中心とした交流会を年4回程度開催しております。

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話題提供

環境に配慮した橋梁の施工

(独)鉄道・運輸機構 鈴木 恒男氏

鈴木氏は、九州新幹線の氷川橋梁の概要と絶滅危惧種であるクロツラヘラサギについての調査概要、具体的な環境への配慮について話をされました。九州新幹線は、平成22 年度末に完成予定で、博多~鹿児島間が1 時間20 分で結ばれ、非常に便利になります。氷川橋梁は新八代駅から少し博多側に寄った位置にあり、全長400mのPC5 径間連続箱桁です。橋梁建設位置に渡来するクロツラヘラサギは、冬に朝鮮半島から暖かい場所に移動する渡り鳥であり、全世界で2000 羽弱の絶滅危惧種で、上から2 番目のランクに位置するそうです。日本野鳥の会より環境省を通じてクロツラヘラサギに関する要望書が出されました。その結果、生態調査、環境保全対策について検討委員会が設置され、以下のことが実施されました。

・ヘラサギが留まる10~4 月は河川工事を実施しない。
・4 年かけて景観の変化を小さくする(桟橋は片押し施工で最小限とするなど)。
・デコイ設置により安心感を与えサギの休息場所を確保する

これらの努力により着工直後には飛来数が減ったが3年後には元に戻ったそうです。

(独)鉄道・運輸機構 鈴木 恒男氏